For Love 高収益化プロジェクト
【プロジェクト概要】
フォーエバー21グループ内のアクセサリーブランドとして立ち上がった「For Love」。限られた売場面積で、どれだけ高い売上・粗利を生み出せるかが鍵となるプロジェクトでした。
【クライアントの課題】
- アクセサリーカテゴリは客単価が低く、通常は「ついで買い」頼みになりがち
- 小さな売場に商品を詰め込みすぎると、逆に購買意欲が下がる
- 既存の什器・見せ方では、ブランドとしての世界観が伝わりにくい
【提供したソリューション】
1. 博物館・美術館の売店ノウハウを応用
- 過去に手掛けた博物館・美術館での物販設計経験を応用し、「待ち時間に自然と手が伸びる展示」を開発
- ハンギング中心ではなく、トレーやガラス瓶を使った「宝探し」感覚のディスプレイを導入
- レジ待ちの列に沿って商品を配置し、「退屈な時間」を「楽しい発見の時間」に変換
2. 視認性と触りやすさを両立した什器設計
- 小さいが種類は膨大というアクセサリーの特性を踏まえた専用什器を設計
- 「一度に全部見える」ことより、「自然に手に取りたくなる」距離感・高さを優先
- 視野角と手の届きやすさの両方から逆算したレイアウトを構築
3. ブランドストーリーを空間に翻訳
- アクセサリー単体ではなく、「身に着けるシーン」が想像できるようなミニ世界観を売場ごとにつくり込む
- 小さな売場ながらも、フォトジェニックでSNSに載せたくなるディテールを配置
- ブランドの世界観を空間全体で感じられるように演出
【得られた成果】
- 1平方フィートあたり5,000ドルの売上、85%の総利益率という異例の収益モデルを実現(実験店舗ベース)
- グループ内でも「もっとも収益効率の高い業態」として注目され、ブランドの新しい顔となる存在に
- 本体ブランドのイメージ向上にも寄与し、「安さだけでない価値」を伝える役割を担うように
【日本企業への示唆】
日本の飲食店や物販店でも、「レジ脇」「待ち時間」はしばしば“死にスペース”になりがちです。
For Loveの事例は、小さな面積を「高収益ゾーン」に変える空間設計の好例と言えます。
待ち時間を「体験」に変えるディスプレイ
単価の低い商品でも、組み合わせ方次第で売上密度を極限まで高められること
この思想は、日本でのポップアップストアや小型店にも応用可能です。
